ビジネスモデル

「売れる人」と「売れない人」たった1つの違い

 【 目次 】

ビジネスには基本的な型がある
2人の社長の間に生じた売上の大きな差
考え方の引き出しが増える売上の公式(型)
導線の公式(型)
2つの公式を使いこなす

ビジネスには基本的な型がある

売上を増やしたいと思うなら、基本的な公式(型)に基づいて戦略を考えることが重要です。なぜなら、公式(型)を指標としてアイデアを発想することで、何を優先すべきか迷うことがなくなるからです。

「商品を売りたい」「集客したい」という目的はあるものの、施策の中で重点を置くべきポイントがズレていることが意外とよくあります。

私自身は常に基本の原則に基づいて考えることを心がけてきました。基本に従うことで成果が得られるという実感を持っているからです。実際に基本原則の重要性を再認識する出来事が最近ありましたので、それを共有したいと思います。

この記事を読むことで、ビジネスにおける基本原則の重要性を再確認していただけると思います。もし今までに「そんなこと考えたこともなかった」という方がいらっしゃる場合は、この機会に思考の枠組みを整えることをおすすめします。思考の枠組みを整えることによって、成果を上げる可能性を飛躍的に高めることができると考えています。

2人の社長の間に生じた売上の大きな差

3年前の2020年、私は2人の創業社長とセッションを行いました。そして先日、あるコミュニティの懇親会で久しぶりに2人に再会しました。しかし、驚くことに同じ時期に事業をスタートしたにもかかわらず、2人の間には大きな差が生じていることがわかりました。

なぜこのような結果になったのでしょうか。特に能力の差は見受けられませんし、取り扱っている商品やビジネスモデル、人脈などにも大きな違いはありません。

では、2人の違いはどこから生まれたのでしょうか。お互いに近況報告をしている中で、仕事の取り組み方の違いに気づきました。それが、売上の公式(型)を活用していたかどうかの違いです。

A社長は、売上を増やすために基本的な公式(型)を意識し戦略を練っていました。彼は公式(型)を指標にしてアイデアを発想し、具体的な施策を実行することで成果を上げていました。

一方で、B社長は公式(型)に基づいて戦略を考えることを軽視していました。彼は何の根拠もない思いつきの発想が多く成果に結びつけることができなかったのです。

3年前、私が2人の社長にお伝えした売上の基本的な公式(型)とは、以下のとおりです。

商売に取り組んでいる方であれば、一度は聞いたことがあるかもしれません。しかし、これを100%活用している人は少ないのではないでしょうか。B社長も同様でした。彼は公式(型)というものをあまり重視していなかったようです。

それでは、なぜ公式(型)が大切なのか?それは、集客や売上アップの基本はPDCAを回すことだからです。

つまり事業とは改善の繰り返しであり、指標を設け、それに基づきPDCAを繰り返していけば確実な成果につながりやすくなります。

公式(型)の多くは非常にシンプルです。複雑なものは、単純な要素が組み合わさって派生したものに過ぎません。原理原則さえ身につければ、それを応用することも可能です。ですから、何事もまずは型から始めることが重要です。それが一番の近道であり、成功への最短距離だと私は考えています。

中村勘三郎さんの言葉通りに「型があるから型破りが出来る」「型が無ければ単なる形無し」。まさにこのような意味が込められています。

考え方の引き出しが増える売上の公式(型)

さて、それでは公式(型)の使い方を見ていきましょう。

まず、質問です。数学が苦手な方もいるかもしれませんが考えてみてください。

答えを売上の公式(型)に当てはめて考えてみましょう。
売上 = 見込み客数 × 成約率 × LTV(単価 × 購入数)

見込み客数(5,000人) × 成約率(1%) = 実際に来店してくれるお客さんの数(50人)
お店に来たお客さんは平均して1,000円の商品を2つ注文してくれます。
LTVは1,000円 × 2 = 2,000円

これらを計算すると、1日の売上の見込は次のようになります。
100,000円 = 5,000人 × 1%× LTV(1,000円 × 2商品)

既にお店を運営している場合には、実際の売上から見込み客数、成約率、LTVを割り出し、分析しておく必要があります。正確な数値を設定し、現状を把握することが重要です。これが改善していくための指標となります。ここがスタートラインです。

公式(型)を使うメリットは、考え方の引き出しを増やすことです。たとえば、売上を3倍にしようと思った時に、具体的な施策を考えるために、どの数字をいじれば3倍にできるのかを公式(型)を使って検討することができます。これにより、具体的なアクションプランを立てることが可能です。

(例)売上を3倍にする
100,000円 = 5,000人 × 1%× LTV(1,000円 × 2商品)
  ↓
300,000円 = 5,000人 × 2%× LTV(1,000円 × 3商品)
1日5,000人が店の前を通り過ぎますが、その人数を増やすことはむずしいかもしれません。しかし、これまで素通りだった人の認知率を上げることは可能です。他にも多くのお店がある中で選択肢に入れてもらうことができれば、成約率を上げていくことができます。

そのためには、以下のような施策を考えてみてはどうでしょう。

1.新しいのぼりを作る。
2.チラシを配布する。
3.店名をわかりやすくする。
4.MEO対策を行いお店を見つけやすくする。
5.SNSを活用して認知度を3倍にする。
6.ウェブサイトの画像を変更するなどの工夫をする。

このような施策により、お店に入ってみたくなるような魅力的な演出を考え、店の前のお客様へのアプローチと新規流入を促します。これによって、認知度や来店率を向上させることができます。

LTVはメニューの単価×注文数で決まります。この部分を向上させるには、以下のような工夫があります。

1.キャンペーンを打ち出す。
2.スタッフの接客を変える。
3.お店のこだわりを訴求する。
4.新メニューを作る。
5.期間限定の季節メニューを提供する。
6.高単価メニューを追加する。
7.バックエンドのサービスを拡充する。
8.内装を工夫して注文しやすい雰囲気を作る。

このような工夫により、LTVを向上させることができます。ただし、これらはあくまでも思いつきの事例です。具体的な施策はお店の実情に合わせて考える必要があります。

ここで大切なのは、売上の公式(型)の存在です。この公式(型)を使うことで、順番に考えていくことができ、何を優先すべきかが明確になります。これにより、「なぜ結果が出ないのか?」や「どうしたら売上が改善できるのか?」といった悩みを減らすことができます。公式(型)を活用することで、より効果的な施策を見つけることができるのです。

そして、公式(型)を使って売上を増やすためには、お客様が購入に至るまでの流れを意識する必要があります。それが、2つ目の公式(型)になります。

導線の公式(型)

2つ目の公式(型)は、導線についてです。

これらの施策は、アクセスとコンバージョンのプロセスを表しています。入口から出口までの流れを考えることが重要です。

まず、世の中のほとんどのビジネス(飲食店や販売業、士業など・・・)は、この流れに基づいて成立していることを理解してください。

オンラインでもオフラインでも、この流れが確立されていないと売上は上がりません。うまくいかない場合は、どの部分の流れが滞っているのかを考える必要があります。

まずは顧客のアクセスを確保し、興味を持ってもらうための施策を展開します。そして、その興味をコンバージョン(成約)につなげるための工夫をします。最終的には、顧客の満足度を高めることでリピーターを増やし、持続的な売上向上につなげます。

売上が上がらない場合は、この流れのどの段階に問題があるのかを見極める必要があります。顧客獲得からコンバージョンまでのプロセスを総合的に見直し、改善点を見つけることが重要です。

この4つの指標(導線)を意識することで、売上の公式(型)の要素が自然と向上していきます。それでは4つの要素を簡単に解説しておきます。

集客・・・お客様を集めるという行為。役立つ情報を発信して商品の魅力を知ってもらう。
教育・・・お客様に情報を提供し商品の価値を向上させること。
販売・・・魅力的なオファーを用意して商品を販売する。
アフターフォロー・・・商品販売後、顧客が思ったような効果が得られていない場合、最初に提示した理想の未来と現状のギャップを埋めていく。

2つの公式を使いこなす

今回ご紹介した公式(型)は、以下の2つです。

私自身、コンサルのご依頼があった際には、これらの2つの指標をベースに考えています。ただし、事業の状況によって使い方は異なります。

たとえば、良い商品を持っている会社でも、売れない場合は集客部分が弱いことがあります。しかし、公式(型)に基づいて考えていないと、集客に力を入れずに、逆に商品の改善に集中してしまうという勘違いを引き起こすことがあります。

インフルエンサーのように、数万人のフォロワーを持ち、人を引きつける力があるにも関わらず、商品やサービスをうまく作れなかったり、販売力が弱い人も少なくありません。

このような単純な公式(型)を活用することで、ボトルネックを見つけやすくなり、売上に直結する施策や情報発信が可能になります。基本を重視し、型を軽視せずに発想を広げることが重要です


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