広告のデザインは、
表現的ではなく
戦略的であるべきだ
広告クリエイティブは、感覚的な表現ではなく、明確な戦略に基づいてつくられるべきだと考えています。広告の本質は、伝えるべき情報を正確に届けること。そのため、言葉やビジュアルの一つひとつが「なぜその表現なのか」という理由に基づいた、緻密なロジックで支えられていることが鉄則です。
下記は広告制作におけるの全体的な構造と流れの一例です。DRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)が土台となっていますが、大切なポイントを記載していますので参考にしてください。
売れる広告をつくる
絶対法則
「売れる広告」と「売れない広告」の決定的な違いを知っていますか?
10年前、ある中小企業の経営者が、まったく反応が得られない広告に困り果て、私たちのチームに助けを求めてきました。
彼らが広告代理店に依頼して作成した広告は思うように効果を発揮せず、売上は予想の半分にとどまっていたのです。私たちは新しい広告を提案し、出稿しました。
その結果、たった一度の出稿で売上は3倍以上に増加。同じ商品、同じターゲットで、変えたのは広告の内容だけ。なぜ、これほど劇的な成果が出せたのでしょうか?
答えは簡単です。「たった一つの絶対法則」に従ったからです。この法則を守ることで、結果は大きく変わりました。
その法則とは「お客様を中心に設計する」という非常にシンプルなものです。
売れる広告は、常にお客様の視点に立って設計されています。反対に、売れない広告は多くの場合、販売者の好みや考えに基づいてつくられているのです。
たとえば、売り手が好きな色をメインに使ったり、一方的に伝えたいことだけを詰め込んだりと、自己中心的な判断が反映されがちです。
しかし、売り手の好みが必ずしもお客様のニーズに合致するとは限りません。売れる広告は徹底的にお客様に寄り添い、彼らが価値を感じられる内容にしているのです。
当時、ご依頼いただいた経営者が初回の広告で効果を発揮できなかった理由、それは広告が「企業を中心に設計」されていたからです。
商品の機能や売り手の伝えたいメッセージばかりが前面に押し出され、肝心のお客様の視点が欠けていたのです。
お客様に寄り添うということは、理想のお客様を選定することから始まります。
この「お客様を中心に設計する」というシンプルな法則を守るだけで、多くの企業が劇的な成果を上げています。売れる広告をつくるためには、まずこの基本原則を心に留めてください。シンプルだけど効果は絶大です。
あなたの広告は、以下の質問事項にいくつ対応できていますか?
正しい広告とは、
売る力のある広告です
広告の目的はシンプルに「売上をあげること」にあります。もちろん、広告を出稿することには、それぞれ異なった目標があると思います。しかし、最終的には売上の向上が広告出稿の根底にあります。
広告の本質は、メッセージを相手に届け、その結果として行動を促すことです。広告は目的達成の手段であり、その目的とは、増収増益を実現することだと考えています。
それを達成するために、広告制作には多くのルールが存在します。
たとえば、「特徴ではなくベネフィットを伝える」「強いオファーを用意する」「お客様の声を活用する」など、守るべきポイントが多く、時には迷うこともあるでしょう。
しかし、大切なのは、すべてのルールを完璧に守ることではなく、成約率に最も影響を与える「軸となるルール」を見極め、それを確実に押さえることです。
「軸」さえしっかりしていれば、他の要素が多少不足していても、効果的な広告を生み出すことができます。
重要なのは、単に情報を発信するのではなく、「相手とのコミュニケーションを成立させること」です。
広告は「自分と相手」との関係で成り立っており、その関係を基に設計することが重要です。
ここまでお伝えした「お客様を中心に設計し、相手とのコミュニケーションを成立させるために理解しておくべきポイント」を解説していきます。
時代が変わっても、
商売の本質と
人の心理は変わらない
人は感情が動いたときに商品を購入する傾向があります。感情的な反応が強ければ強いほど、購入の決断がしやすくなるのです。
特に、自分の「ビフォーアフター」を想像できたときに強く感情が揺さぶられます。これは、人が現実の自分と理想の自分とのギャップを埋めたいと感じるからです。
たとえば、理想の体型を手に入れたい人がダイエット商品を購入する場合、そのギャップが大きいほど商品に価値を感じやすくなります。
広告やキャッチコピーで感情を刺激する最も効果的な方法は、このビフォーアフターの見せ方にあります。
人が商品を買うのは、望む未来を手に入れたいからです。健康になりたい、やせたい、魅力的になりたいという願望が、購入を促す大きな動機となります。
時代が変わっても変わらないのは人の心理です。広告をつくる際には、商品の価値を相手の心理にうまく結びつけることが重要です。
そのためには、お客様を「主語」して、相手が知りたいことにしっかりと答える姿勢が大切です。この考え方は、どんな時代でも変わらない商売の基本だと感じています。
この姿勢を踏まえて、広告を作成する際に必ず押さえておくべきポイントをまとめます。
訴求ポイント
伝えたいメッセージの中心となる内容を決めます。ここがあいまいだと、広告のメッセージが不明確になり、効果が薄れてしまいます。
ターゲット
広告を誰に向けて発信するのか、具体的な顧客層を設定します。ターゲットが明確でないと、メッセージが広がりすぎて、狙った効果を得ることがむずかしくなります。
ベネフィット
見込み客がその商品やサービスを利用することで得られるメリットや利益を伝えます。たとえば、商品の使用によってどのように生活が改善されるかを具体的に示すことが重要です。
コンセプト
広告全体のテーマや切り口を決めます。これが広告の軸となり、一貫したメッセージを伝える基盤となります。
表現
メッセージをどのような言葉やデザインで伝えるかを工夫します。ターゲットに響く表現を選ぶことで、広告の効果が大きく変わります。
コール・トゥ・アクション (CTA)
広告を見たお客様にどのような行動を取ってもらいたいかを明確に示します。たとえば、「今すぐ購入」や「詳細はこちら」といった具体的な内容を提示し、相手の行動を促します。目的を達成する部分であるためとても重要なパートです。
ターゲット選定時の
重要ポイントは、
相手の価値観の理解
お客様を中心に広告を設計するためには、理想のお客様(ターゲット)を選定することから始まります。
ターゲット選定のポイントは、相手の価値観に注目することです。
たとえば、会社員と経営者は、一見するとまったく異なるグループのように思えます。しかし、どちらも「時間を効率的に使いたい」という価値観を共有していることがあります。
もし、時間管理ツールを販売する場合、会社員には「仕事を早く終わらせてプライベートの時間を増やしたい」、経営者には「業務効率を上げてビジネスを成長させたい」という共通のニーズがあることに気づけば、両者をターゲットにすることができます。
ターゲットを年齢や性別などの属性で絞ることも重要ですが、共通する価値観や感情に基づいて絞ることは市場を広げるという意味でも効果的です。
一見異なる属性の人々でも、共通の価値観があれば、全員をターゲットにできる可能性があります。
たとえば、年齢や性別が異なっていても、健康を大切にする価値観を持つ人々に向けて同じメッセージを発信できます。
ターゲット設定では、相手の価値観や感情を理解し、それに基づいたコンセプトやアプローチに取り組むことが成果をあげるためのコツだったりします。
その前に以下の違いを理解しておきましょう。
ターゲットとペルソナの違い
ターゲットとペルソナは、マーケティングや広告において重要な概念ですが、目的や使い方が異なります。それぞれの違いを以下に説明します。
ターゲット
ターゲットは、商品やサービスを提供する際に、どのような属性や特徴を持った人々に対してアプローチするかを決める大まかな層を指します。具体的には、年齢、性別、職業、収入、居住地、家族構成などの情報を基に設定します。
【例】30代の独身女性 年収500万円以上の都市部に住む会社員
ペルソナ
ペルソナは、ターゲット層を具体化した架空の人物像です。ペルソナは、ターゲットの代表となる一人の人物を詳細に描写することで、マーケティング戦略や広告作成時に、より具体的な視点で考えることを可能にします。ペルソナには、名前、年齢、職業、家庭環境、趣味、価値観、日常の行動パターン、購買動機、課題などが含まれます。
【例】名前:田中花子、年齢:34歳、職業:PR会社勤務、年収:600万円、住居:東京のマンション、趣味:ヨガと旅行、課題:忙しい仕事の中でリラックスできる時間を求めている。
ターゲットは広範な層を指し、多くの人々を含む場合がありますが、ペルソナはその中の一人を詳細に描写した具体的な人物像です。
ペルソナを設定することで、広告や商品開発がよりユーザーに寄り添ったものになります。ターゲット設定は全体的な方向性をつかむのに役立ちますが、ペルソナは具体的な施策を考える際に効果的です。
たとえば、既婚者と独身者、子どもの有無、都市部か地方か、専業主婦か働く女性かなど、ターゲットの特性を細かく分類して考えます。
化粧品を販売する場合、忙しく働くキャリアウーマンと、子育てに忙しい専業主婦では、求める商品やサービスが異なります。それぞれに合ったマーケティングメッセージをつくることが重要になります。
その商品を使うと
私にどんな
いいことがあるの?
商品やサービスを売っていくためには、「ベネフィット」を明確に伝えることが重要です。
ベネフィットとは、単なる機能や特徴ではなく、顧客がその商品を使うことで得られる具体的なメリットや変化のことを指します。言い換えれば、商品がもたらす「ビフォーアフター」がはっきりしているほど、顧客はその価値を感じやすくなります。
たとえば、スキンケア商品やダイエット商品では、実際の利用者のビフォーアフターを写真やデータで示すことで、顧客の購買意欲を高めることができます。顧客にとって「やせたい」という願望があり、その結果「理想の体型を手に入れること」が具体的なベネフィットとなります。商品がこの変化を提供できない限り、顧客にとって価値のあるものにはなりません。
ファーストビューで
8割の効果を狙う
広告の表現で最も力を入れるべきは「ファーストビュー」です。
なぜらならば、広告は見てもらえなければ何も始まらないからです。
ファーストビューとは、ウェブサイトの見出しやキャッチコピー、DMの封筒に書かれた文言、プレゼンの最初のスライド、メールの件名など、ユーザーが最初に目にする部分を指します。この最初の印象が、その後の行動に大きく影響します。
実際、多くの人がファーストビューだけで広告の価値を判断するため、この瞬間で相手の心をつかむことが広告の成功を左右します。
具体的には、ヘッドラインに商品やサービスの最大のメリットを簡潔かつ魅力的に伝えることが重要です。この一文で、ターゲットが「これは自分に必要だ」と感じるように意識しましょう。
この部分では、相手の感情をしっかりと動かし引きつけることが重要です。ファーストビューを見たときに、「えっ!」と驚かせたり、強い印象を与えることが求められます。
ファーストビューが見込み客に振り向いてもらうことを重視しているため、広告効果の7〜9割を決めると言われますが、残りの部分も軽視してはいけません。他の要素の手を抜いてしまうと成約に結びつけることができなくなるからです。
つまり、ファーストビューに最大限の注意を払いつつ、広告全体のバランスや流れを考慮することが成果を出す広告をつくる鍵です。
広告の基本的な
構造とは?
広告でメッセージを伝えるためには、誌面の「構造」と「流れ」が大切です。
最も大切なのは構造です。広告の構造は、家の「基礎」にたとえることができます。どれだけ魅力的な広告でも、基礎がしっかりしていないと効果を発揮できません。
要するに、広告の構造がしっかりしていることは、成果につなげるための土台となるのです。
では、広告の構造とは一体何でしょうか?以下の4つの要素が基本です。
注意を引く
広告の成功には、まずヘッドラインとビジュアルで読者の注意を引くことが重要です。ヘッドラインには、読者にとって最も魅力的なベネフィットを1つに絞って示し、その商品に興味を持たせる必要があります。
これができないと、読者は本文を読む気にならないでしょう。広告で「見てもらえない」というハードルを乗り越えるためには、ヘッドラインやオープニングで興味を引き、続きを読みたくさせることが不可欠です。
特に効果的なのは、新規性や意外性を提供することです。新しい情報や視点を提供することで、読者の関心を引きます。新商品なら、その新しさ自体が注目されますが、同じ商品を何度も売る場合は、メインのベネフィットを変えることで新規性を出す必要があります。
これにより、セールスレターの内容や構成も変わり、読者の興味を維持できます。意外性があると、読者を「読まずにはいられない状態」にすることができるのです。
必要性を提示する
どんな商品も、何らかの問題を解決したり、特定のニーズを満たしたりするものです。たとえば、自転車は通学の時間的問題を解決しますし、電子レンジは料理の時間を短縮し、忙しい時に素早く食事を準備できます。
しかし、多くの場合、商品の必要性が一目でわからなかったり、読者に伝わっていなかったりします。そのため、商品がなぜ必要なのかを読者に示すことが重要です。つまり、商品がどのようにニーズを満たし、問題を解決するかを明確に提案する必要があります。
根拠を示す
広告の信頼性を高めるためには、商品やサービスの効果を裏付ける証拠やデータを示すことが重要です。具体的な数字や実績、顧客の声などを取り入れることで、主張に対する信頼感が生まれます。
たとえば、顧客の満足度を示すレビューや、第三者機関の評価を引用することで、読者に「この商品は信頼できる」と感じてもらうことができます。これにより、広告の説得力が増し、行動を促す効果が高まります。
行動を喚起する
広告は単に情報を伝えるだけでなく、読者に具体的な行動を促すことが重要です。どんな広告でも、最後には必ず読者に行動を起こしてもらうための呼びかけが必要です。これにより、読者が興味を持った商品やサービスに対して実際に行動を起こす可能性が高まります。
最低限このような広告の構造を理解したうえで、それぞれの状況に合わせ適切な流れを考えましょう。
デザインは
コンセプトを
視覚的に表現するもの
デザインはブランドのコンセプトを視覚的に表現する重要な手段です。単に見た目が美しいだけではなく、ブランドのメッセージや価値観をしっかりと伝える役割を担っています。そのため、デザインではすべてのビジュアル要素がブランドのメッセージと一致し、一貫性のある印象を与えることが求められます。
広告のデザインにおいては「1ビジュアル1メッセージ」という原則が基本です。これは、視覚的要素を通じて伝えるメッセージを1つに絞り、複数のメッセージが混在しないようにすることです。
このアプローチにより、メッセージが明確に伝わり、ターゲットがすぐに理解できるようになります。人は一度に多くの情報を記憶するのがむずしいため、広告で印象に残るのは1つのことに限られるからです。また、広告の内容はテーマに沿った一貫性のあるストーリーで構成されるべきです。
シンプルなデザインは情報が直感的に伝わることを目指し、ターゲットが迷わず理解できるようにします。しかし、シンプルさを追求するあまり必要な要素を削りすぎないことが大切です。
ビジュアルは感情を伝える力を持ち、言葉は具体的な意図を伝えます。ビジュアルと文字をうまく連携させることで、感情と意志の両方を効果的に伝えることが可能です。
さらに、重要な要素を大きく表示し、影響の少ない要素を小さくすることで、視覚的に情報の優先順位を示すことができます。
人は自分がイメージできるものにしかお金を出さないため、デザインではターゲットが何を求めているか、どのような情報に魅力を感じるかを考慮し、ベネフィットを具体的にイメージさせることがとても大切です。
表現するうえでも商品の使用シーンだけでなく、どのように問題が解決されるかを伝えることで、ターゲットの心に響くデザインを作成することができます。
ビジュアルで
一番大切な
シズル感の演出
広告における「シズル感」とは、商品の魅力を引き立てるための演出です。これは商品を使うことによって得られる満足感や喜びを強調し、視覚的に魅力的に表現することで、ターゲットの感情に訴えかけます。
商品画像などの視覚的な表現は、商品のシズル感がそのまま伝わったときが最も効果的で直球で伝える方法はやはり強いと感じます。
シズル感とは、特に食品広告でよく使われるもので、たとえば焼き肉が「ジュージュー」と音を立てて焼ける瞬間を映した画像などを指します。
これは、食材が目の前で調理されているようなリアルさを再現し、消費者の食欲を刺激します。効果的なシズル感は、視覚だけでなく音や香りを想起させ、商品の鮮度や質感を引き立てます。
もちろん食品だけでなく、他の商品でもシズル感は効果的です。
オンラインショッピングやソーシャルメディアが普及している現在、シズル感の重要性は高まっていると感じています。しかしそこを意識している人が意外と少ないようです。
シズル感を意識した表現を使うことで、自社商品の魅力を最大限に引き出し、見込み客の興味を引くことができます。
企業にとって、シズルカットは自社商品の「晴れ舞台」であり、商品が最も美味しそうに、そして最も欲しくなるように見せる理想的な表現です。
以下にシズル感表現の参考事例を掲載します。あくまでも一例として掲載しますが、ご自身の商品の良さをどのように訴求していくか考えるきっかけになれば嬉しいです。
【例】ハンバーガーの広告
ハンバーガーの中身がジューシーな肉汁であふれるシーンをクローズアップし、食欲をそそる演出を行う。
【例】チョコレートの広告
チョコレートの豊かなテクスチャーや滑らかな口溶けをクローズアップし、贅沢感を演出する。
【例】スポーツドリンクの広告
運動後の爽快感やリフレッシュ感を演出するために、スポーツ選手が汗を流すシーンとドリンクを飲むシーンを組み合わせる。
【例】餃子の広告
焼きたての羽根つき餃子に箸を入れるシーンで、カリカリの皮の食感と香ばしい香りを強調し、食欲を刺激する。
【例】ビールの広告
ビールがグラスに注がれ、細かな泡が立ち上るシーンで、新鮮さと爽快感を視覚的に伝える。
【例】ウイスキーの広告
氷が入ったグラスにウイスキーを注ぐシーンで、冷たさと滑らかさを演出し、リッチな印象を与える。
【例】高級ワインの広告
ワイングラスに注がれる赤ワインが光に反射するシーンを撮影し、豊かな香りと高級感を演出する。
【例】うどん店の広告
湯気が上がるうどんを箸で持ち上げるシーンで、温かさとコシを演出し、熱々で美味しそうな印象を与える。
【例】レストランの広告
美しい盛り付けと美味しそうな料理をクローズアップ。料理が新鮮で美味しいことを強調。
【例】スマートフォンの広告
高解像度ディスプレイに映し出される鮮やかな画像で、視覚的な美しさと高品質を強調し、信頼感を与える。
【例】スニーカーの広告
地面を軽やかに蹴るシーンで、シューズの性能や快適さを演出し、ランニングの楽しさを喚起する。
【例】スポーツカーの広告
車が滑らかに走るシーンをダイナミックに描写し、スピード感と性能をアピールする。
【例】ノートパソコンの広告
キーボードに光が反射し、速やかにタイピングする手の動きで、パフォーマンスと効率性を視覚的に伝える。
【例】高級時計の広告
滑らかに動く針と光沢のある文字盤で、精密さと品質の高さを強調し、所有することのステータス感を高める。
【例】シャンプーの広告
クリーミーな泡が弾ける瞬間で、泡立ちの良さと洗浄力を視覚的に伝え、心地よさや効果を連想させる。
【例】化粧品の広告
肌に伸ばされるクリームのなめらかさで、肌に良い影響を与える期待感を高め、購入意欲を促進する。
【例】ビジネスバッグの広告
整理された収納スペースを映し出し、実用性とスタイリッシュさを強調する。
【例】自転車の広告
軽快に走行するシーンで、快適さとスピード感を強調し、ライディングの楽しさを伝える。
【例】デザイナーズ家具の広告
高級感のある室内に配置された家具のビジュアルを使用し、スタイリッシュで洗練されたデザインを強調する。
【例】美容院の広告
スタイリッシュなカットと仕上げが施された髪型を強調し、プロフェッショナルな仕上がりをアピールする。
【例】ヘアケア商品の広告
髪の艶やかさや健康的な状態を強調し、商品の効果を視覚的に示す。
【例】ビジネスバッグの広告
スタイリッシュなビジネスバッグがオフィスで使用されるシーンを見せ、プロフェッショナルな印象を演出する。
【例】高級リゾートの広告
リゾート地のラグジュアリーな宿泊施設やアクティビティを美しい映像で見せ、贅沢な体験を伝える。
【例】家庭用電化製品の広告
商品が簡単に使えるシーンや、家事が楽になる様子を見せ、使い勝手の良さをアピールする。
【例】アパレルブランの広告
服が動きに合わせて美しく揺れるシーンを撮影し、デザインや着心地をアピールする。
【例】イベントプロモーションの広告
イベントの活気や楽しさを映し出し、参加することで得られる体験や感動を伝える。
シズルカットは、商品が持つ魅力のどこにフォーカスするかで変わります。たとえば、高級車の広告を例にすると、商品のどの部分をメインで訴求していくかで表現するシズルカットは変わります。
【例】高級車の広告
■夜景の中で輝く高級車
高級車が夜景の中で美しくライトアップされ、その輝きがボディの滑らかなラインを引き立てる。都会の高層ビルの灯りを反射させグレード感を演出。
■洗練された内装
車のドアが開かれ、豪華な内装が露わに。高級レザーのシートや精巧なインストルメントパネルが、贅沢な空間を演出する。
■スピード感のある走行
高速道路を駆け抜ける高級車のスピード感を捉えたカット。風を切る流線形のボディと、地面に吸い付くタイヤの迫力を強調。
■優雅な出発シーン
高級車がエレガントに駐車場から出発する瞬間。静かな街並みの中で、車の美しいデザインを際立たせる。
■豪華なエンジンルーム
ボンネットが開かれ、精密なエンジン内部が見えるシーン。エンジンの洗練されたデザインと、メカニカルな美しさを強調。
■自然の中の高級感
高級車が美しい自然の中に停まっているシーン。山道や海辺の風景と車の調和で、ラグジュアリー感を引き立てる。
■近未来的なデザイン
高級車の近未来的なデザインを強調したシズルカット。斬新な形状とテクノロジーで車の革新性を表現。
このように単独の商品でもさまざまな切り口で表現することができます。ご自身の商品の魅力がどこなのか?それを感じてもらえる瞬間は何かを常日頃から意識しておくことをおすすめします。
まとめ
効果的な広告をつくるには、計画的な設計が必要です。広告は単なる表現ではなく、戦略に基づいて作成すべきです。
広告の目的は「売る力」を高めることで、メッセージが相手に伝わり、行動を促すことです。そのためには、ターゲット設定、ベネフィットの明確化、感情に訴えるメッセージなどが必要条件です。
結論的には広告は「相手とのコミュニケーション」であり、ターゲットの価値観や感情に寄り添うことが正しい広告の形です。
■追伸1:広告をつくる際には、メッセージの方向をしっかり決めることが大事です。最低限以下の項目に答えられるようにしておきましょう。
(私たち・ブランド名 )は
(ペルソナ )に対して、
(商品の強み① )や
(商品の強み② )を活かし、
(商品の機能的価値 )や
(商品の情緒的価値 )を通じて、
(ベネフィット )を提供し
(理想的な姿 )を実現します。
■追伸2:広告で一番大切なのは、商品の説明ではなく、その商品がどれだけ幸せをもたらすかを伝えることだと思います。その意識を根底に置いてに設計することの重要性を痛感しています。結局、モノを売るということは、人を幸せにすることだと考えています。