商品やサービスを売るために、一番早く効果的な方法がキャッチコピーに力を注ぐことです。売れるキャッチコピーをつくるために、絶対に外せない3つのステップがあります。
まず、詳しい説明に入る前にキャッチコピーは2種類あるということをお伝えしておきます。この2つはそれぞれの目的に応じつくり方が異なります。
① イメージコピー
企業や商品の認知度やイメージを高めるためのブランディングを目的としています。
② セールスコピー
商品の特徴や利点を強調して直接的な購入を促すことを目的としています。
私達の周りで一般的に目にする機会が多いのは、露出度の高い大手企業のイメージコピーです。しかし、実際これらのコピーが売上に貢献しているとは、おそらく感じられないと思います。それはイメージコピーの役割とセールスコピーの役割を混同しているためで上記のように目的がまったく違います。
この違いを理解しておかないと、目的に合わないコピーを参考にしてしまうことがあるので注意が必要です。大手企業は目的に応じて2種類を使い分けています。逆に中小企業や個人事業主は売上に直結するセールスコピーを使用する機会が圧倒的に多いです。
キャッチコピーを作成する際は、まずその目的を明確にしましょう。イメージ向上を目指すブランディングなのか、売上を促進する販促なのかを整理することが大切です。今回は「売れるキャッチコピー」というテーマで、セールスコピーに焦点を当てます。
売れるキャッチコピーに求められる重要な役割とは?
キャッチコピーの主な役割は、見込み客の興味心を引くことです。その最大の目的は、見込み客に大いなる期待感を抱かせ振り向かせることにあります。
たとえば広告を見て引き込まれ、最後まで内容を読んでしまった経験はありませんか。その理由は何だったでしょう。おそらく最初に目にしたキャッチコピーが、自分の悩みを解決してくれそうとか、何かしら魅力を感じたからだと思います。
情報があふれる現代では最初に目にするキービジュアルやキャッチコピーはファーストビューとも呼ばれとても重要な役割を果たします。
魅力的なキャッチコピーは相手にとって価値ある提案を含み次の文章を読みたいと思わせます。強いキャッチコピーをつくるには、明確な「訴求ポイント」と「届け方」に注力することが不可欠です。
売れるキャッチコピーを作成する3つのステップ
キャッチコピーを作成するためのステップをご紹介します。ご自身で作成する場合でも、外注する場合でも手順は同じです。ここでは商品やサービスの特徴や強みがすでにピックアップされていることを前提に進めます。
ステップ1「 訴求ポイント 」を考える
キャッチコピーを開発する際には、お客様に対する有益な価値を抽出することが重要です。具体的には以下の要素を考えます。
訴求ポイント : 何を伝えるか
ターゲット : 誰に向けているのか
ベネフィット : 商品から得られる効果や利益
訴求ポイントとターゲットを決めベネフィットを明確にします。そして、そのベネフィットをどう伝えるかを考えましょう。商品の特徴やメリットを洗い出し、ターゲットが最も反応するポイントを見つけます。
キャッチコピーをつくる際は、どのようにコミュニケーションするかイメージすることが大切です。顧客は自分の問題をどう解決してくれるのかに関心があります。そのため、キャッチコピーの土台は「誰に」「何を言うか」が重要であり、これを明確にすることが反応を上げるポイントになります。
ステップ2「 相手の状況 」を考える
対象者や訴求内容が決まっていても、相手の状況によってメッセージはまったく異なるものになります。たとえば、ダイエット商品を題材に考えてみましょう。同じ商品を必要とする人でも、対象者の状況に応じてアプローチの内容が変わります。
たとえば、同様にスポーツウェアを販売する場合を考えてみてもターゲットにより訴求ポイントが異なります。ランナーには快適性とパフォーマンス向上を、ジムユーザーにはスタイリッシュなデザインと動きやすさを、アウトドア愛好家には耐久性と防水性を強調して伝えます。サラッとお伝えしていますが、相手の状況や価値観によってメッセージは大きく変わるため、ターゲットを細かく分析するプロセスが非常に重要になります。
ステップ3「 メッセージの届け方 」を工夫する
この段階で初めて表現をどうするかに意識を向けます。メッセージを効果的に届けるためのポイントはさまざまですが、効果的だと感じるものだけをご紹介します。
【 読み手を特定し呼びかける 】
まず、言いたいことをただ伝えるだけでは、相手に振り向いてもらえません。そのため必ず意識してほしい要素として、「読み手を特定し呼びかける」ことです。コミュニケーションではあたり前のことだと思います。これをターゲットコピーと呼びます。
キャッチコピーの効果を高めるには、特定の対象者を明確にし、その関心やニーズに訴えかけることが重要です。これにより読者の注意を引き興味を持たせることができます。
(例)
・新米ママへ・・・・赤ちゃんとの安眠をサポートします。
・ビジネスパーソンの方へ・・・・効率的な時間管理術を提案します。
・薄毛で悩んでいる方へ・・・・自然な髪の成長をサポートします。
・英会話の上達でお悩みの方へ・・・・楽しく学ぶ方法をご紹介します。
・夢のマイホームを持ちたい人へ・・・・理想の住まいを実現するお手伝いをします。
【 ビフォー・アフターを使う 】
キャッチコピーで効果的な表現方法の一つは、「ビフォー・アフター」を提示することです。人は自分がどう変わるのかを具体的に知りたがります。ビフォー(現状)とアフター(変化後)をセットで提示することで、読者に具体的なイメージを与え、関心を引くキャッチコピーになります。特に健康や美容、ライフスタイル改善などの分野で非常に効果的な手法です。
(例)
ビフォー: 腰痛に悩んでいる人へ
アフター: 1日3分で腰痛が改善されるストレッチ法を伝授!
(例)
ビフォー: 食事制限や運動でダイエットに挑戦しているけど、なかなか成果が出ない方へ
アフター: たった1ヶ月でウエストが-5cm!継続可能なダイエット方法をご紹介
(例)
ビフォー: 日々のストレスや環境の影響で肌トラブルに悩む方へ
アフター: 2週間で肌がみるみる明るくなる!自宅で簡単にできるスキンケアをご紹介
(例)
ビフォー: 収入が思うように増えず、生活に余裕がない方へ
アフター: 3ヶ月で収入が倍増!始めるだけで変わる資産形成の方法を伝授
【 具体的な数値を含める 】
文章に具体的な数値を入れると、情報が具体的になり、読者に強い印象を与えることができます。抽象的な表現よりも、具体的な数値が説得力を持ちます。数字を含む情報は記憶に残りやすく、製品やサービスの具体的な成果や効果を示すことで、読者が実際の利益や変化を想像しやすくなります。
(例)
・成績を向上させる勉強法 → 30日で成績を30%向上させる勉強法
・効果的な時間管理術 → 週に1時間の実践で効果的な時間管理術を習得する
・効果的な運動プログラム → 毎日10分の運動で1ヶ月で体脂肪を5%減少させるプログラム
・美しい肌を手に入れる方法 → 2週間でシミを50%減少させる美肌ケア法
【 すべてを明かさない 】
たとえば、映画で最初にオチがわかってしまったらつまらないと思います。これと同じように、長文などで内容をしっかりと読んでもらいたいとき、キャッチコピーでは、すべてを明かさず興味喚起にフォーカスし、読者に「続きを読みたい!」「もっと詳しく知りたい!」と思わせるテクニックです。
(例)
・あなたは英語で“こんな”間違いをしていませんか?
・私がTOEICのスコアをたった3ヶ月で300点アップさせた“ある方法”を知りたくないですか?
・“3つのエクササイズ”を試すだけで、慢性的肩こりから解放されるのですが・・・。
【 常識を否定する 】
一般的に受け入れられている考え方や行動パターンに逆説的な視点を提供し、新しい解決策を提案することで読者の興味を引きます。これにより、商品やサービスの独自性を際立たせることができます。以下はまったく架空の事例で根拠はありません。あくまでも考え方の参考としてご覧ください。
(例)
「ジム通いは非効率だった!自宅でできる運動の効果に驚き!」
一般的にはジムでの運動が効果的だとされていますが、自宅でできる運動にも優れた健康効果があります。この意外な事実で、新しい運動習慣を提案します。
(例)
「朝洗顔はNG!? 夜に洗顔すると肌が変わる!」
朝の洗顔が一般的に推奨されていますが、朝の洗顔を否定し、夜の洗顔が肌に与える良い効果を強調します。これにより、新しいスキンケア習慣への関心を引きます。
(例)
「市販の洗剤は不要?自然素材で驚くほどキレイに!」
多くの人が市販の洗剤を使っていますが、自然素材でも効果的に掃除ができます。この新たな視点で、環境に優しい掃除法を提案します。
売れるキャッチコピーまとめ
キャッチコピーの基本はシンプルでわかりやすくすることです。特に気の利いた格好の良い言葉である必要は、まったくありません。迷ったときは、「相手が喜びそうなコピー」を考えましょう。最も大切なのは「どんな人に、どんなベネフィットを提供するか」というシンプルなコミュニケーションです。これがキャッチコピーの骨格となります。「誰に」「何を」「どう伝えるか」が、強いキャッチコピーをつくる鍵です。相手のことをどれだけ考え、そのテーマにどれだけ真剣に向き合ったかが、そのコピーの質を決めます。
▼ 過去のデザイン事例集
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