デザイン

「知覚価値」を最大限に活用しよう

 【 目次 】

事前情報が人の認識に大きな影響を与える
「知覚価値」を意識しよう
「知覚価値」を伝えるデザインの重要性
「知覚価値」を伝える方法まとめ

事前情報が人の認識に大きな影響を与える

人は事前に知った情報でモノの捉え方が大きく変わります。たとえば、一般的に「高級ワイン」とは5万円〜100万円以上の価格帯のワインを指します。これらのワインは希少で高価なため、ワイン好きであっても一生に一度の出会いかもしれません。

もし、あなたが高級ワインを試飲する機会があったとしましょう。しかし、実はそのワインの中身はコンビニで買える398円のワインだったとします。それを、簡単に手に入らない10万円の高級ワインだと説明を受けた上で試飲してもらいます。

おそらく、あなたはもちろんですが、ほとんどの人は「さすが高級ワインは違うな」と感じてしまうかもしれません。このような実験はテレビ番組でよく見られるものですが、実際には多くの人が安価なワインでも高級だと信じ込んでしまうようです。

つまり、「このワインは高級品だ」という先入観が、商品の価値に大きな影響を与えるということです。同様の実験をスイーツや料理、また楽器の音色を使って行っても、一般の人々には味や音の違いがわかりません。

結論として、人々が商品の価値を決める際の要因は、単純に味や音の差だけではなく、事前の情報が認識に大きな影響を与えていることがわかります。

「知覚価値」を意識しよう

あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、「知覚価値」という言葉があります。「知覚価値」とは、お客様が商品やサービスに対して抱く品質や費用に対する総合的な価値判断のことを言います。

商品やサービスの魅力は、単に機能や性能だけでなく、お客様が感じる価値によって決まります。これはまさに冒頭のワインの例に表れています。

事前情報が人の認識に大きな影響を与えるならば、広告・宣伝では商品やサービスの価値やイメージを事前に伝えておくことができなければ、大きな機会損失につながってしまいます。

ここで、取り組んでおいてほしいのは、「知覚価値」をしっかりと伝えていくことです。では、具体的にどうしたらいいでしょう。

現代の市場では、高品質の商品でもその価値が伝わりにくいことがあります。競争が激化しているため、まずは自社の実績をしっかりと把握することが必要です。

単に「この商品は素晴らしい」と言うだけでなく、その根拠や特徴を明確に示すことが重要です。

自社の商品やサービスがどのような要素を持っているのか、以下のような内容をしっかりと伝えているでしょうか?

「知覚価値」を伝えるデザインの重要性

繰り返しになりますが、「知覚価値」とは、お客様が商品やサービスに対して抱く価値判断のことを指します。その価値を伝えるためにはデザインが重要な役割を果たします。

デザインは、「高級感」や「親近感」など、言葉だけでは伝えにくいイメージを表現する強力な手段です。お客様が商品やサービスに思い描く価値は、その人にとっての真実となります。そのためには、ブランドイメージをコントロールすることが大切です。

デザインを活用することで、商品やサービスの魅力を効果的に表現することができますが、過剰な演出は信頼を損なう原因になるため、品質とのギャップを避けるように注意は必要です。

商品やサービスの価値を顧客に理解してもらうには、「見た目が9割」という言葉通り、デザインを使って魅力的な印象を与えることが効果的です。顧客に魅力を伝えるために、「知覚価値」を意識し、デザインを上手く活用してみてください。

「知覚価値」を伝える方法まとめ

私がいつも意識して取り組んでいる手順をお伝えします。

①ペルソナを決める
受け取る人によって価値は変わります。まずは、誰に買ってほしいかを決める。この辺りは基本ですね。

②機能や強みを言語化する
そして、具体的には自社の商品やサービスの品質・機能をきちんと言語化するために技術の棚卸しが必要になります。それをきちんと言葉に起こすことでがスタートラインです。これは誰にでもできることでありますが、意外とやっている人は少なかったりします。

③デザインで世界観を伝える
最終的には、想定ターゲットを意識しながら世界観のイメージをつくっていきます。こうした考え方が商品の品質に影響を与えていきます。「知覚価値」という視点を持つだけで、魅力の伝わり方が大きく変わっていきます。


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