デザイン

成約率を上げるランディングページ作成の基本ルール

今回の記事では、成約率を向上させるためのランディングページ作成の基本ルールを紹介します。成約率を上げる秘訣は、単なる情報提供を超え、訪問者の感情に響くメッセージを伝えることにあります。

私たちは感情に基づいて意思決定を行う存在です。したがって、訪問者の心をつかむためには、強力な見出しや魅力的なビジュアルが欠かせません。これらは、最初の印象を大きく左右します。

また、ストーリー性のあるコンテンツは訪問者が感情移入しやすく、行動を促す要因となります。さらに商品のメリットや利用者の声を紹介することで、実際にその商品を使った際の感情を想像させることもできます。このように感情に訴えかけることで、訪問者の興味を引くことができれば、最終的には行動を起こしてもらえる確率が高まります。

この記事を通じて、あなたのランディングページがより効果的になり、訪問者の反応を引き出すお手伝いができると嬉しいです。

Webサイトとランディングページ(LP)の違いとは?

ランディングページ(LP)は訪問者が最初にアクセスする「着地ページ」を意味します。WebサイトやLPは、どちらもインターネット上に存在するWebページですが、その役割や目的は異なります。

たとえるならWebサイトは、企業にとって「会社」「お店」のようなもので、さまざまな情報を提供できる場所であり会社の概要、商品やサービスの詳細、お問い合わせページなどのコンテンツを掲載することが一般的です。情報を一元化し訪問者に対しての信頼を担保していく目的を持っています。

一方、LPは「営業マン」のような役割を担います。特定の目的に向けて、訪問者に行動を促すためにつくられた単体で完結するWebページです。

LP最大の目的は?

それは、訪問者に特定のアクションを促すことです。たとえば、お問い合わせをもらう、商品を購入してもらう、資料を請求してもらう、予約をする、あるいはメールアドレスを登録してもらうといったことがLPの目的です。

これらを達成するために、商品やサービスの強みやメリットを紹介し、ページを縦にスクロールさせる形式でまとめるのが一般的です。LPは訪問者がページ内で迷うことなく、スムーズに行動を起こせるようにつくられています。

LPは1つのメッセージやオファーにフォーカスし、全体の記事に一貫性を持たせ訪問者が「欲しい!」と感じる明確な目標に導くことが重要です。

まるで営業マンが1つの商品の良さをしっかり説明して、購入をすすめるようなイメージです。

LPの成果を決める2つのポイント

LPが目的を達成するには、2つの要素が鍵となります。それが「アクセス」「コンバージョン」です。

まず、アクセスとは、LPに訪問者を呼び込むことを指します。たとえば、広告を出したり、SNSでリンクをシェアしたりすることで、LPに多くの人を誘導します。このアクセスが多ければ多いほど、目的達成のチャンスが増えます。

次に、コンバージョンとは、LPを訪問した人が実際にアクションを起こすことを指します。

たとえば、商品の購入やメールアドレスの登録などが該当します。コンバージョンが高いほど、LPの効果も高いと言えます。

LPの目的達成は、アクセスコンバージョンの掛け算です。いくらアクセスを集めても、コンバージョンが低ければ目標達成にはつながりません。また逆にコンバージョンが高くても、そもそもアクセスが少なければ、大きな成果には結びつきません。どちらもバランス良く整えることで、LPはその目的を果たすことができます。

たとえば、あなたが新しい商品を発売したとします。LPをつくり、その商品の魅力をわかりやすく紹介し、購入ボタンを設置します。しかし、そのページを誰も見に来てくれなければ、商品は売れません。そこで、広告を出してアクセスを増やします。そして、アクセスしてきた人にこの商品は効果が高そうだ!と思ってもらい、実際に購入してもらうことで、コンバージョンが成立します。

LPの基本構造とクリアすべき3つの壁

LPは主に3つのパートで構成されており、それぞれが役割を持ちながら、訪問者の心理的な「壁」をクリアーしていきます。以下では、LPの構造と、その中でクリアすべき3つの「Not」について説明します。

LPは、①First View(ファーストビュー)、②Body(ボディ)、③Closing(クロージング)という3つの主要な部分から構成されます。

そして、これらのパートは3つのNot(ノット)と呼ばれる心理的な壁を越えるための仕組みとして考えると、より設計しやすくなります。

3つのNotとは、訪問者の「読まない」「信じない」「行動しない」という心理的障壁のことです。この壁を乗り越えることで、訪問者に行動を促し、最終的なコンバージョン(購入やお問い合わせなど)につなげることができます。

①First View(ファーストビュー)-「読まない」壁をクリアーする

ファーストビューとは、ページを開いたときに最初に表示される部分で、訪問者の目を引く役割を果たします。この部分が魅力的でなければ、訪問者はページをすぐに離れてしまう可能性があります。

実際に、訪問者は3秒以内にそのページが自分にとって必要かどうかを判断すると言われており、この段階で、一瞬でも自分に関係があると思ってもらえなければ約70%がLPから離脱してしまいます。そのため、ファーストビューは非常に重要で、ここで訪問者の興味を引きつけなければなりません。

ファーストビューには、次のような要素が含まれています。

キャッチコピー

一番大切なメッセージをシンプルで魅力的に伝えます。たとえば、「えっ!それって本当?興味がある!」と思わせるような内容で、感情を揺さぶることが大切です。

キービジュアル

一目でメリットが伝わる画像やデザインです。商品やサービスの魅力を伝え、訪問者の興味を引きます。

CTA(Call To Action)ボタン

ユーザーに「行動してほしいこと」(例:購入ボタン、問い合わせボタンなど)を明確に示します。

ファーストビューの役割は、訪問者に「このページは価値がある」と感じてもらうことです。ここで興味を持ってもらえないと、ページを読まずに離脱してしまうため、最初の数秒で強いインパクトを与えることが大切です。

②Body(ボディ)-「信じない」壁をクリアーする

ファーストビューで興味を引いた次のステップは、訪問者に納得してもらうことです。これは「信じない」という心理的な壁を乗り越える段階です。

訪問者は、商品やサービスが本当に自分に役立つかどうかを疑っています。ここでは、その疑問や不安を解消し、信頼を築くことが重要です。

ボディには、以下のような要素が含まれます。

悩みの明確化

訪問者が直面している問題や課題を具体的に示し、その解決策が提供する商品やサービスであることを説明します。

提案

問題を解決するための具体的な提案を行います。この提案が訪問者にとって魅力的であることが大切です。

ブレット

商品やサービスのメリットを短くわかりやすく列挙します。簡潔に要点を伝えることで、訪問者が理解しやすくなります。

お客様の声や実績

過去の購入者の体験や成功事例を紹介し、商品やサービスの信頼性を高めます。「この商品は本当に役立つ」と思ってもらうための大切な要素です。

FAQ(よくある質問)

訪問者が抱きそうな疑問や不安に答えることで、信頼感をさらに高めます。

このパートでは、訪問者に「なるほど、これは自分に役立つ!」と納得してもらい、信頼を獲得することが目的です。

特に「お客様の声」「実績・事例」は、訪問者に安心感を与え、商品の価値を具体的に伝えるために非常に有効です。

③Closing(クロージング)-「行動しない」壁をクリアーする

最後の段階は、訪問者に実際のアクションを起こしてもらうことです。ここでは「行動しない」という壁を乗り越え、購入や問い合わせ、登録などの具体的な行動を促します。

どんなに良い商品やサービスでも、行動を起こしてもらわなければ意味がありません。クロージングには、次のような要素が含まれます。

緊急性

今すぐ行動しなければならない理由を提供します。たとえば、「限定○名様のみ」「特別価格は今だけ」といった表現で、訪問者に行動を促します。

特典や保証

商品を購入する際のリスクを減らすために、特典や保証を提示します。これにより、訪問者は「買って損しない」と安心して行動できます。

CTA(Call To Action)ボタン

再度、訪問者に行動を促すボタンを設置します。明確な指示を示すことで、訪問者が迷わず次のステップへ進めるようにします。

クロージングでは、訪問者に「今すぐ行動しなければならない」と感じてもらい、行動を後押しすることが目的です。たとえば、「この機会を逃したら損をするかもしれない」と感じてもらうことで、行動を促します。

LPは、この3つの構造(ファーストビュー、ボディ、クロージング)を通じて、訪問者の心理的な壁を1つずつクリアーしていくことが大切です。

ファーストビューで興味を引き、ボディで信頼を築き、クロージングで行動を促す。この流れをうまく組み立てることで、訪問者が最終的にコンバージョンへと至る可能性が高くなります。

また、すぐに行動するタイプの訪問者はファーストビューで購入を決めるかもしれませんが、慎重な訪問者はボディクロージングの情報をじっくりと読み込み、最終的に行動を起こすかもしれません。

LPは、どちらのタイプの訪問者にも対応できるようにつくり込む必要があります。

結論として、LPは商品やサービスを効果的に伝えるための非常に強力なツールです。3つの構造を理解し、それぞれの段階で訪問者の心理的な壁を乗り越えることで、コンバージョン率を高め、ビジネスの成功につなげることができます。

ビフォー・アフター・解決策で描く理想の未来

LPを作成する際には、お客様の状況や問題を理解し、解決方法を示すことが重要です。そのために、以下の3つの要素を使い分けると効果的です。

ビフォー(Before)

まず、お客様が抱えている問題や困難な状況を描写します。たとえば、「腰が痛くて毎日つらい」「借金が増えて生活が苦しい」といった状態です。

お客様はこのような現実に悩んでいます。この段階で共感を示すことで、読者に「この商品は自分に関係がある」と感じてもらえます。

アフター(After)

次に、その問題が解決された後の理想的な未来を描きます。たとえば、「腰の痛みがなくなり、毎日元気に過ごせる」「借金がなくなり、自由な生活を送れる」といった未来像です。

このステップを通して、お客様は「この商品を使えばこんな良い未来が待っている」とより具体的にイメージしやすくなります。

解決策(Solution)

最後に、あなたの商品やサービスがどのようにその問題を解決できるのかを説明します。

たとえば、「腰痛を改善する特別な薬を使うと痛みが緩和されます」「返済計画で借金が減ります」といった具体的な解決策を提示します。

これらの要素を順序立てて説明することで、お客様は自分の問題が解決する道筋を理解し、商品の購入を前向きに考えるようになります。

LPの流し読み対策

多くのお客様は、LPをすべて細かく読むわけではありません。ざっと見て、興味を引かれる部分にのみ目を通すことが大半です。そこで、LPの設計では「流し読み対策」も重要な要素の1つです。

見出しや小見出しを工夫して、どこに何が書かれているかがすぐにわかるようにしましょう。たとえば、「お客様の声」「商品の特徴」といったセクションを明確に分け、読み手が知りたい情報にすぐアクセスできるようにします。

また、視覚的な工夫も重要です。箇条書きを使ったり、重要なポイントを太字にしたりして、目を引くデザインにすることで、情報をスムーズに伝えることができます。

お客様に手間をかけないLP設計

LPを訪れたお客様に、できるだけシンプルに行動してもらうことが大切です。ページを次々にクリックさせるなど、手間をかけさせると離脱してしまう可能性が高まります。1クリックさせてしまうたびに10%が離脱してしまう感覚です。

必要な情報をそのページ内でしっかり伝え、スムーズに購入や問い合わせといった次のステップに進めるようにしましょう。複雑な操作や余分なページ移動は避け、行動しやすい環境を整えることが成功のカギです。

2つのベネフィットを使い分ける

お客様が商品やサービスを選ぶとき、必ず「ベネフィット」を期待しています。ベネフィットとは、商品を使うことで得られる利益やメリットのことです。これには大きく分けると2つの種類があります。

痛みを避けるベネフィット

たとえば、「腰痛を治す」「借金を返す」というように、現在の困難や悩みを解消することがこのタイプのベネフィットです。お客様が痛みや不安から解放されたいと感じる場合、このアプローチが効果的です。

快楽を得るベネフィット

一方、「高級車が手に入る」「異性にモテる」といった、プラスアルファの喜びを提供するベネフィットもあります。これらは、お客様が「より良い状態になりたい」と願うときに響きます。

LPでは、商品がどちらのベネフィットを提供するのかを明確にし、他の商品とどう違うのかを伝えることが重要です。これによって、お客様は「この商品は自分にピッタリだ」と感じ、購入意欲が高まります。

問題解決の流れをシンプルに表現

LPに盛り込みたい情報がたくさんあっても、伝えたいメッセージはシンプルにまとめましょう。複数あるルールを意識しすぎてわけがわからなくなるような混乱を避けるために、最低限次の3つのポイントをしっかりと押さえることが大切です。

1.お客様には解決したい問題がある
2.その問題は、この商品で解決できる
3.解決すると、こんな良いことが待っている

この3つのポイントを守ることで、どんな商品でもわかりやすく説明でき、お客様にスムーズに伝わりやすくなります。

証拠を示すことで得られる安心感

LPで商品やサービスを紹介する際に、お客様の信頼を得ることが大切です。いくら良い商品でも、お客様が「本当に効果があるのかな?」と不安に感じてしまうことがあります。そんなときには、信頼できる証拠を見せることが求められます。

たとえば、他のお客様の感想や実際に商品を使って得られた効果を紹介することが大切です。「この商品を使った人は本当に満足していますよ」というリアルな証拠があると、お客様も「自分にも効果があるかもしれない」と感じ、安心して購入に踏み切ることができます。

魅力的なオファーが行動を促す

最後に、お客様に行動を促すためには、魅力的なオファーを提示しましょう。たとえば、「今だけ割引」「限定キャンペーン」など、期間限定の特典があると、お客様は「今買わなければ損をする」と感じて行動しやすくなります。

このように、行動を促すオファーをしっかりと用意し、LPの最後にお客様がすぐに行動できるようにサポートしましょう。

これらのポイントを押さえながらLPを作成することで、お客様にとって魅力的なページを提供することができます。商品やサービスの良さをしっかり伝え、信頼を得て、最終的に行動を促すことがLPの目的です。


コンタクト

セールスデザイン

オンリーワンブランディング


▼ 過去のデザイン事例集

事例

これまで関わってきた仕事の一部を事例として掲載しています。ただし著作権や肖像権を有するコンテンツが多く含まれるため、アクセス制限(認証パスワード)を設定させていただいております。

「知覚価値」を最大限に活用しよう前のページ

小さな会社のブランドイメージ戦略次のページ

ピックアップ記事

  1. 「知覚価値」を最大限に活用しよう
  2. 顧客の心に刺さる!超簡単ベネフィット作成法
  3. 企(KUWADATERU)のコンセプト
  4. 成約率を上げるランディングページ作成の基本ルール
  5. 売れるキャッチコピーを極める3つのステップ

関連記事

  1. デザイン

    「知覚価値」を最大限に活用しよう

     【 目次 】事前情報が人の認識に大きな影響を与える「知覚価値…

  2. マーケティング

    顧客の心に刺さる!超簡単ベネフィット作成法

     【 目次 】ベネフィットがお客様の心を動かす!なぜベネフィッ…

  3. ビジネスモデル

    「売れる人」と「売れない人」たった1つの違い

     【 目次 】ビジネスには基本的な型がある2人の社長の間に生じ…

  4. デザイン

    デザインの本質は相手を感動させること

    これは、イタリアを代表する建築家、エットレ・ソットサスの言葉で…

  5. マーケティング

    売れるキャッチコピーを極める3つのステップ

    商品やサービスを売るために、一番早く効果的な方法がキャッチコピーに力を…

  6. マーケティング

    売れる広告のつくり方

    広告のデザインは、表現的ではなく戦略的であるべきだ…

デザインサービス

お問い合わせ

公式サイト



これまで関わってきた仕事の一部を事例として掲載

リンク集

日本橋ビジネスレビュー

  1. デザイン

    デザインの本質は相手を感動させること
  2. デザイン

    成約率を上げるランディングページ作成の基本ルール
  3. ブランディング

    小さな会社のブランドイメージ戦略
  4. デザインサービス

    セールスデザイン
  5. マーケティング

    売れる広告のつくり方
PAGE TOP
error: このコンテンツのコピーは禁止されています